はじめに
Pythonプログラミングにおいて、エディタの選択は開発効率やコードの品質に大きく影響します。特に、コードの記述量が多くなるほど、快適な環境でコーディングを行うことが重要になります。
多くの開発者は、テキストエディタやIDE(統合開発環境)を利用してコードを書きますが、どちらを選ぶかは個々の好みやプロジェクトの規模、必要な機能に依存します。たとえば、小規模なスクリプトを素早く書くときには軽量なテキストエディタが便利ですが、大規模なプロジェクトで高度なデバッグや統合されたツールを利用したい場合はIDEが最適です。
以下では、エディタとIDEの違いについて簡単に見ていきましょう。

Pythonのプログラミングを始めたいけれど、どのエディタを選べばいいか迷っていませんか?このガイドでは、初心者におすすめのエディタを比較し、それぞれの特徴をわかりやすく解説しています。自分に合ったエディタを見つけて、プログラミングをもっと楽しみましょう!ぜひ気軽にチェックしてみてくださいね!
テキストエディタ vs IDE
- テキストエディタ
テキストエディタは、軽量でシンプルなコードエディタです。通常はプログラムの編集機能が中心で、デバッグ機能やプロジェクト管理機能は付属していないか、非常に限られています。代表的な例として、Sublime TextやVimがあります。エディタは高速で軽快な動作が特徴ですが、追加の機能を自分でプラグインなどで設定する必要があります。 - IDE (統合開発環境)
IDEは、コードの編集だけでなく、デバッグ、テスト、プロジェクト管理など、開発に必要な多くの機能を備えた総合ツールです。PyCharmやVisual Studio Codeは、その例です。多機能なため、初期のセットアップに時間がかかることもありますが、大規模なプロジェクトやチーム開発には非常に便利です。
このように、どのエディタを選ぶかは、開発スタイルやプロジェクトの規模、個人の好みによって異なります。
Python開発におけるエディタ選びのポイント

Pythonでの開発に適したエディタを選ぶ際、いくつかの重要なポイントがあります。エディタによっては特定の機能に強みがあり、また好みによって作業効率が大きく変わることもあります。ここでは、Pythonエディタ選びの際に考慮すべきポイントについて説明します。
軽量エディタ vs 高機能エディタ
エディタには、動作が非常に軽快で、起動が速く、シンプルにコード編集ができる軽量エディタと、デバッグ機能やプロジェクト管理ツールなどを備えた高機能エディタ(IDE)があります。それぞれの特徴を以下に挙げます。
- 軽量エディタ: VimやSublime Textのようなエディタは、メモリやCPUの消費が少なく、起動時間も短いです。これは、短時間で簡単な作業を行う場合や、低スペックのPCでコーディングする場合に有効です。カスタマイズ性が高く、開発者が自分の作業フローに合わせて必要な機能を追加していくスタイルが一般的です。
- 高機能エディタ(IDE): PyCharmやVisual Studio CodeのようなIDEは、豊富な機能を備え、特に大規模なプロジェクトやチーム開発に強みを発揮します。コード補完、デバッグ、テスト機能などが最初から統合されており、開発全体を効率化することができます。しかし、その分、動作がやや重く、初期設定に時間がかかる場合もあります。
拡張機能のサポート
Python開発を行う際に、拡張機能(プラグイン)の充実度は大きなポイントとなります。例えば、コード補完、構文チェック、コードフォーマッタ、Linter(静的コード解析ツール)など、Pythonに特化した機能を追加できることが、作業効率を大きく左右します。
- VSCodeは、多数の拡張機能を持ち、公式やコミュニティ製のPython用プラグインも豊富です。
- PyCharmは、IDEとしてPython開発に特化しているため、プラグインなしでも高機能です。
- VimやSublime Textも、外部プラグインをインストールすることでPython向けの環境を整えることができます。
開発の効率化を考慮した選択肢
エディタを選ぶ際には、単にコードを書く作業だけでなく、長期的な開発作業全体の効率化も考慮することが重要です。以下の点もエディタ選びの判断材料となります。
- コード補完機能: タイプミスを防ぎ、より早く正確にコードを記述できる補完機能は重要です。特に、Pythonのような柔軟な構文を持つ言語では、補完機能の品質が作業スピードに直結します。
- デバッグ機能: IDEには統合されたデバッグツールが搭載されており、ブレークポイントを設定してステップ実行し、エラー箇所を詳細に確認することができます。
- バージョン管理ツールの統合: Gitなどのバージョン管理ツールがエディタ内で使えると、開発の途中で変更履歴を確認したり、リモートリポジトリに簡単にプッシュできるため便利です。
エディタ選びは一度決めたら終わりではなく、プロジェクトや作業内容に応じて適宜切り替えることも推奨されます。たとえば、小さなスクリプトを書くときは軽量エディタ、大規模なプロジェクトのときはIDEといった具合に使い分けることも一つの手段です。
人気のPython対応エディタ
Python開発に適したエディタは多数存在し、それぞれに独自の特徴や強みがあります。この章では、特に人気のあるPython対応エディタについて詳しく見ていきます。
Visual Studio Code (VSCode)
Visual Studio Codeは、Microsoftが提供する無料のテキストエディタで、軽量ながらも非常に多機能なツールです。VSCodeはエディタとしての基本機能に加えて、Python開発向けに多くの拡張機能をインストールできることが大きな魅力です。
また、VSCodeは非常に軽量でありながら、豊富な拡張機能によってどんなプログラミング言語にも対応できる点が優れています。カスタマイズ性が高く、UIも直感的で、初心者から上級者まで幅広いユーザー層に支持されています。
PyCharm
PyCharmは、JetBrainsが開発したPython専用のIDEで、Pythonに特化した高機能な統合開発環境です。特に大規模プロジェクトやWeb開発、データサイエンスの分野で広く使われています。
PyCharmは多機能なため、特に大規模なプロジェクトや高度なデバッグ作業に向いていますが、その分動作はやや重い点に注意が必要です。
Sublime Text
Sublime Textは、シンプルで高速なコードエディタです。多くのプログラマーにとって「軽量で素早く使える」という点が大きな魅力で、特に短時間で作業したい場合や、少ないリソースで動作させたい場合に重宝します。
Sublime Textは、カスタマイズ性が高く、ユーザーが必要に応じて機能を拡張しながら自分好みの開発環境を作り上げられる点が特徴です。
Vim
Vimは、非常に古くから存在するテキストエディタで、効率的なキーボード操作に特化しています。マウスを使わず、全ての操作をキーボードで行うため、慣れると非常に高速なコーディングが可能です。
Vimは、ハードコアな開発者や効率を重視するプログラマーに愛されています。高度なカスタマイズと効率的な操作が可能な一方で、使いこなすにはある程度の学習が必要です。
Python用エディタの設定とカスタマイズ

Python開発におけるエディタの魅力の一つは、開発者が自分の作業スタイルやプロジェクトに合わせて柔軟にカスタマイズできる点です。ここでは、Python向けエディタで特に有用なカスタマイズや設定方法について解説します。
Linterやフォーマッタの設定
Linter(リンター)とは、コード内のバグやスタイルの不備を自動的に検出するツールです。また、フォーマッタはコードの書式を一定のルールに従って自動で整えてくれます。これらは、コードの品質向上と開発効率の向上に大きく貢献します。
- Pylint: PythonのコードスタイルやエラーをチェックするためのLinter。Pythonの公式スタイルガイドであるPEP8に従って、コードの問題点を指摘します。
- Flake8: Pylintと同様のLinterで、よりシンプルで軽量です。Pylintほど厳しくないため、プロジェクトによってはFlake8のほうが使いやすいと感じるかもしれません。
- Black: Python用のフォーマッタ。コードを「フォーマット」し、統一されたスタイルで自動的に整形します。手動でスタイルを調整する必要がなくなるため、開発スピードが向上します。
エディタにLinterやフォーマッタを設定することで、コードを書いている最中にリアルタイムで問題を指摘してくれたり、自動的にコードスタイルを整えてくれます。例えば、VSCodeやPyCharmでは、これらのツールをプラグインとしてインストールするだけで、簡単に設定できます。
自動補完機能とその設定
Pythonは動的型付けの言語であるため、変数やメソッドの自動補完機能が非常に役立ちます。エディタでのコード補完機能を適切に設定することで、コーディング速度と正確さが飛躍的に向上します。
- VSCode: Python拡張機能をインストールすることで、コード補完機能が使えます。インテリセンス(IntelliSense)機能により、関数やクラス、モジュールのメソッドなどが自動で補完されます。
- PyCharm: デフォルトで非常に強力なコード補完機能を提供しています。補完機能はクラスや関数のインスタンスメソッドだけでなく、インポートされたライブラリのメソッドや属性にも対応しています。
- Vim: 「YouCompleteMe」や「deoplete」などのプラグインを使うことで、Vimでも高度な補完機能を利用できます。
Git連携やデバッグ機能
バージョン管理ツールであるGitをエディタに統合すると、コードの変更履歴やブランチ管理をエディタ内で簡単に操作できるようになります。また、デバッグツールを使用することで、エラー箇所の特定やコードの動作確認が効率的になります。
- Git連携
- デバッグ機能
カスタムキーバインドの設定
開発効率をさらに向上させるために、エディタ内でカスタムキーバインド(ショートカットキー)を設定することができます。特によく使う操作に対して独自のキーバインドを設定することで、作業スピードが大幅にアップします。
- VSCode: 設定ファイル(
keybindings.json)を編集することで、任意の操作に対して独自のショートカットキーを割り当てることが可能です。 - PyCharm: 設定メニューから簡単にキーバインドの変更ができ、ショートカットのカスタマイズが容易です。特にデバッグ時の操作などは、頻繁に使うため、自分の使いやすいキーに変更すると効率的です。
- Vim: Vimはカスタマイズの幅が非常に広く、
.vimrcファイルを編集することであらゆる操作に対して独自のコマンドを設定できます。
カスタムキーバインドを上手に利用することで、毎回マウスに手を伸ばす手間が省け、キーボード操作だけでスムーズに作業を進めることができます。
実際にPythonコードを書いてみよう
この章では、実際に各エディタでPythonのコードを書いてみて、それぞれの開発フローを比較してみます。今回は、簡単なPythonスクリプトを作成し、各エディタの特徴的な機能を活用してコードを実行する方法を紹介します。
サンプルコード
以下は、簡単なPythonスクリプトです。このスクリプトは、指定された数値が偶数か奇数かを判定し、その結果を出力します。
def check_even_odd(number):
if number % 2 == 0:
return f"{number} is even."
else:
return f"{number} is odd."
if __name__ == "__main__":
num = int(input("Enter a number: "))
result = check_even_odd(num)
print(result)VSCodeでの開発フロー
Visual Studio Codeでは、拡張機能と統合ターミナルを活用することで、シンプルかつ効率的な開発が可能です。
- Python拡張機能のインストール
まず、公式の「Python」拡張機能をインストールします。この拡張機能により、コード補完やLinting、デバッグ機能が利用可能になります。 - 仮想環境の設定
Pythonプロジェクトには仮想環境を設定するのが一般的です。python -m venv venvコマンドを使って仮想環境を作成し、VSCode上でその仮想環境を選択します。 - Linterとフォーマッタの利用
コードを書いていると、リアルタイムでLinterがコードスタイルの問題を指摘してくれます。例えば、Pylintを使ってコードのエラーやスタイルをチェックし、Blackを使って自動フォーマットを行う設定も簡単にできます。 - 実行とデバッグ
ターミナルでpython script.pyを実行してスクリプトを動かすことができます。また、ブレークポイントを設定してデバッグを行い、変数の値を確認したり、ステップ実行でエラーの原因を探ることができます。
PyCharmでの開発フロー
- プロジェクト作成
PyCharmを使って新しいPythonプロジェクトを作成します。PyCharmは、仮想環境の作成やPythonインタプリタの選択も自動的にガイドしてくれるため、初期設定がスムーズです。 - コード補完とLinting
PyCharmの高度なコード補完機能は、入力時に関数や変数の候補を提案してくれます。コードスタイルやエラーは自動的にLintingツールによって指摘され、修正の提案も表示されます。 - 統合されたターミナルとデバッグ
ターミナルからコードを実行するか、上部にある「Run」ボタンをクリックしてスクリプトを実行します。PyCharmの強力なデバッガを使えば、ブレークポイントを設定してコードの流れを詳細に追跡し、変数の値を確認しながらステップ実行が可能です。
Sublime Textでの開発フロー
Sublime Textはシンプルかつ高速で、プラグインを追加することでPython開発環境を整えられます。
- Package Controlの設定
Sublime TextにはデフォルトでPython開発向けの拡張機能が少ないため、「Package Control」をインストールし、必要なパッケージを追加します。例えば、Anacondaというプラグインは、Python用のコード補完やLinting機能を提供します。 - コードの補完とLinting
Anacondaプラグインを利用して、コード補完やLinting機能を有効にします。軽量なエディタながらも、効率的なコーディングが可能になります。 - 実行とデバッグ
Sublime Textにはデフォルトで統合ターミナルがないため、外部ターミナルでスクリプトを実行します。ターミナルでpython script.pyと入力し、プログラムを実行します。デバッグにはプラグインが必要ですが、PyCharmやVSCodeほど高度なデバッグ機能は期待できません。
Vimでの開発フロー
Vimは非常に軽量でキーボード操作に特化したエディタですが、プラグインを使ってPython開発環境を整えることができます。
- Vimプラグインの導入
.vimrcファイルに、YouCompleteMe(補完)やSyntastic(Linting)などのプラグインを設定します。これにより、VimでもPythonコードの自動補完やLinting機能を利用できます。 - コード編集の効率化
Vimの強力なキーボード操作に慣れることで、非常に高速なコード編集が可能です。例えば、ファイル間の移動や、複数の場所を同時に編集する作業を効率化できます。 - 実行とデバッグ
Vim自体には統合ターミナルやデバッガ機能はありませんが、外部のターミナルでスクリプトを実行できます。python script.pyコマンドでプログラムを動かし、エラーログを見て手動でデバッグするスタイルが一般的です。
まとめ
Python開発において、適切なエディタの選択はコーディング体験や開発効率に大きな影響を与えます。どのエディタを使うべきかは、プロジェクトの規模、開発者の好みやニーズに応じて異なりますが、この記事では主要なエディタの特徴を紹介し、選び方の指針を提供しました。
それぞれのエディタには一長一短があり、すべての作業に万能なツールは存在しません。プロジェクトの規模や内容、また自分のコーディングスタイルに合ったエディタを選び、場合によっては複数のエディタを使い分けることが推奨されます。例えば、日常的な軽作業には軽量エディタを使い、大規模なプロジェクトやデバッグにはIDEを利用する、といった使い分けが効果的です。
最終的に、エディタのカスタマイズや機能を最大限に活用することで、開発の効率を高め、自分に最適な開発環境を作り上げることができるでしょう。

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