はじめに
プログラミングにおいて、プログラムの実行を途中で中断したい場面はよくあります。特にターミナルやコマンドプロンプトで動作しているプログラムを中断する際に便利なのが「Ctrl + C」です。このショートカットは、コンピュータプログラムの実行を強制的に停止するために使用され、Pythonでも例外ではありません。
Pythonでは、「Ctrl + C」を押すとプログラムが中断され、KeyboardInterruptという例外が発生します。この例外を適切に処理することで、プログラムが中断された際にも、データの保存やリソースの解放といった必要な後処理を行うことができます。
本記事では、Pythonにおける「Ctrl + C」の機能について詳しく解説します。まず、「Ctrl + C」がどのようにシグナル(信号)を送信し、Pythonでどのように処理されるのかを理解し、その後、例外処理を使ってプログラムを安全に中断する方法を紹介します。さらに、長時間実行されるスクリプトやデーモン(バックグラウンドで動作するプログラム)での応用例についても取り上げます。
この知識を活用することで、Pythonプログラムの信頼性と安定性を高め、実際の運用や開発において役立てることができるでしょう。

Pythonでプログラムを実行中に、安全に中断したいと思ったことはありませんか?このガイドでは、Ctrl+C(KeyboardInterrupt)を使った安全な中断方法を初心者向けに解説しています。開発やデバッグで役立つテクニックなので、ぜひ気軽にチェックしてみてくださいね!
「Ctrl + C」とSIGINTシグナル

「Ctrl + C」は、ターミナルやコマンドプロンプトでプログラムを実行しているときに、プログラムを即座に停止させるための非常に便利なショートカットキーです。これは、SIGINT(シグナル・インタラプト)というシグナルをプログラムに送信することで実現されています。
シグナルとは?
シグナルとは、オペレーティングシステム(OS)からプロセス(実行中のプログラム)に送られる通知の一種で、特定のイベントが発生したことをプロセスに知らせるために使用されます。シグナルにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる用途があります。たとえば、SIGKILLはプログラムを強制終了させるために使われ、SIGTERMはプログラムを終了するためのシグナルです。
SIGINTシグナルとは?
SIGINTは「シグナル・インタラプト」の略で、ユーザーが「Ctrl + C」を押すことで発生するシグナルです。このシグナルは、プログラムに「実行を中断せよ」という指示を送ります。PythonプログラムがSIGINTを受け取ると、通常、KeyboardInterrupt例外が発生し、プログラムの実行が中断されます。
PythonでのSIGINTシグナルの処理
Pythonでは、SIGINTシグナルが発生すると、KeyboardInterrupt例外が自動的にスローされます。この例外を使って、プログラムがどのように停止されるかを制御できます。デフォルトでは、KeyboardInterrupt例外がスローされると、プログラムは即座に停止しますが、例外処理を適切に実装することで、プログラムの終了前に必要な後処理を行うことができます。
以下は、SIGINTシグナルが発生したときにPythonがどのように対処するかを示す簡単なコード例です。
import time
try:
while True:
print("プログラムが実行中です。Ctrl + Cを押して中断してください。")
time.sleep(1)
except KeyboardInterrupt:
print("SIGINTシグナルを受信しました。プログラムを終了します。")このスクリプトを実行し、「Ctrl + C」を押すとKeyboardInterrupt例外が発生し、プログラムは安全に停止します。このように、SIGINTシグナルを利用してプログラムの中断を制御することができます。
KeyboardInterrupt例外とは
Pythonで「Ctrl + C」を押すと、プログラムがSIGINTシグナルを受信し、これによりKeyboardInterrupt例外が発生します。KeyboardInterrupt例外は、ユーザーがプログラムの実行を中断したことを知らせるための特別な例外です。この例外を適切に処理することで、プログラムの終了前に必要なクリーンアップ操作やデータ保存などを行うことができます。
KeyboardInterrupt例外の基本
KeyboardInterrupt例外は、Pythonの標準ライブラリに含まれており、通常の例外と同様にtry-except構文を使用して処理することができます。この例外は、ユーザーが意図的に「Ctrl + C」を押してプログラムを中断しようとしたときに発生します。
例として、次のようなコードを考えてみましょう。
try:
while True:
print("プログラムが実行中です。Ctrl + Cを押して中断してください。")
time.sleep(1)
except KeyboardInterrupt:
print("プログラムが中断されました。クリーンアップを実行します。")このコードでは、whileループが無限に実行され、ユーザーが「Ctrl + C」を押すまで繰り返し処理が行われます。KeyboardInterrupt例外が発生すると、exceptブロックが実行され、「プログラムが中断されました。クリーンアップを実行します。」というメッセージが表示されます。これにより、プログラムが安全に終了することができます。
KeyboardInterrupt例外の処理例
KeyboardInterrupt例外をキャッチすることで、プログラムの中断時に行うべき特定の処理を実装できます。例えば、ファイルやデータベースへの書き込み操作を行っている最中にプログラムが中断された場合、そのままではデータが失われる恐れがあります。このような場合、KeyboardInterruptをキャッチして、データを安全に保存する処理を行うことが重要です。
try:
with open('data.txt', 'w') as f:
while True:
f.write("データを保存中...\n")
time.sleep(1)
except KeyboardInterrupt:
print("データの保存が中断されました。ファイルを閉じます。")このコードでは、whileループの中でファイルにデータを書き込み続けていますが、ユーザーが「Ctrl + C」を押すとKeyboardInterrupt例外が発生し、ファイルを安全に閉じる処理が実行されます。これにより、ファイルが不完全な状態で残ることを防ぐことができます。
try-exceptでの「Ctrl + C」の扱い方

Pythonでは、KeyboardInterrupt例外をキャッチして処理するために、try-except構文を使用します。この構文を利用することで、「Ctrl + C」によるプログラム中断時に特定の動作を実行させたり、安全にプログラムを終了させたりすることができます。
try-except構文の基本
try-except構文は、例外が発生する可能性があるコードを安全に実行するための一般的な構造です。基本的な使い方は以下の通りです。
try:
# 例外が発生する可能性のあるコード
risky_operation()
except SomeException as e:
# 例外が発生した場合に実行されるコード
handle_exception(e)これをKeyboardInterruptに応用することで、プログラムの中断時に特定の処理を行うことができます。
KeyboardInterruptをキャッチして処理する
KeyboardInterruptをキャッチするためには、次のようにexceptブロックでこの例外を指定します。
try:
print("プログラムを実行中です。Ctrl + Cを押して中断してください。")
while True:
# 長時間実行される処理
time.sleep(1)
except KeyboardInterrupt:
print("プログラムが中断されました。リソースを解放しています...")このコードでは、無限ループ内でtime.sleep(1)を使って1秒ごとに待機しています。ユーザーが「Ctrl + C」を押すとKeyboardInterrupt例外が発生し、exceptブロック内のコードが実行されます。ここで、必要なクリーンアップ処理(例えば、ファイルの閉鎖やメモリの解放)を行うことができます。
実践例:安全なプログラム終了
プログラムが外部リソースを使用している場合、KeyboardInterruptを適切に処理することは特に重要です。例えば、データベース接続やファイル操作が行われている場合、中断時にリソースを適切に解放しないとデータの破損やリークが発生する可能性があります。
次に、ファイル操作を行うプログラムの例を示します。
try:
with open('output.txt', 'w') as f:
while True:
# ファイルにデータを書き込む
f.write("データを記録中...\n")
time.sleep(1)
except KeyboardInterrupt:
print("プログラムが中断されました。ファイルを閉じています...")この例では、with文を使用してファイルを開き、ループ内でデータを書き込んでいます。KeyboardInterruptが発生すると、ファイルを安全に閉じる処理が実行されます。with文を使用することで、例外が発生してもファイルが自動的に閉じられるため、データの破損を防ぐことができます。
finallyブロックでの後処理
場合によっては、finallyブロックを使用して、例外の有無に関わらず必ず実行される後処理を記述することもあります。finallyブロックは、リソースの解放やクリーンアップ処理を確実に実行するために便利です。
try:
with open('output.txt', 'w') as f:
while True:
f.write("データを記録中...\n")
time.sleep(1)
except KeyboardInterrupt:
print("プログラムが中断されました。")
finally:
print("クリーンアップ処理を実行中です...")この例では、finallyブロック内のコードが、KeyboardInterruptの有無に関わらず必ず実行されます。これにより、例外処理後に必要なクリーンアップ処理が確実に行われることが保証されます。
実践的な応用例
「Ctrl + C」とKeyboardInterrupt例外の扱い方は、Pythonプログラムを安全に管理するための基本的なスキルです。特に、長時間実行されるスクリプトや、バックグラウンドで動作するデーモンプログラムなどでは、ユーザーがいつでも安全に中断できるようにすることが重要です。この章では、これらのシナリオでの応用例をいくつか紹介します。
長時間実行されるスクリプトの中断
データ処理や機械学習モデルのトレーニングなど、長時間かかる処理を行うスクリプトでは、中断が必要になることがあります。たとえば、膨大なデータセットの処理や複数のファイルの解析を行う場合、一部の処理が完了する前にスクリプトを中断して結果を確認したり、修正を加えたりすることがよくあります。
以下に、長時間実行されるスクリプトでのKeyboardInterrupt例外の利用例を示します。
import time
def process_data(data):
# データを処理するダミー関数
time.sleep(2)
return f"Processed {data}"
try:
data_list = ["data1", "data2", "data3", "data4"]
for data in data_list:
result = process_data(data)
print(result)
except KeyboardInterrupt:
print("データ処理が中断されました。進行状況を保存しています...")
# 必要なクリーンアップや進行状況の保存をここで行う
finally:
print("プログラムを安全に終了します。")この例では、データリストの各要素を順番に処理していますが、処理中に「Ctrl + C」を押すと、KeyboardInterrupt例外が発生します。この場合、クリーンアップ処理(例:進行状況の保存)が行われ、プログラムは安全に終了します。
デーモンプログラムやサーバーでの中断処理
サーバーやバックグラウンドで動作するデーモンプログラムでは、KeyboardInterruptの処理はさらに重要になります。これらのプログラムは通常、長時間、または無期限に実行され、外部からの中断指示に応答する必要があります。
以下に、シンプルなサーバーの例を示します。このサーバーは無限ループでリクエストを処理し続けますが、ユーザーが「Ctrl + C」を押すと安全に停止します。
import time
def run_server():
print("サーバーが起動しました。クライアントからのリクエストを待機中...")
while True:
# クライアントからのリクエストを処理(ダミー処理)
time.sleep(2)
print("リクエストを処理しました。")
try:
run_server()
except KeyboardInterrupt:
print("サーバーが中断されました。リソースを解放しています...")
finally:
print("サーバーは安全に停止しました。")このサーバーは、無限ループで動作し続けますが、ユーザーが「Ctrl + C」を押すとKeyboardInterrupt例外が発生し、サーバーを安全に停止する処理が実行されます。finallyブロックを使用することで、例外が発生しても必ずリソースの解放が行われ、サーバーが正しく終了します。
安全なリソースの解放とデータ保存
プログラムが複雑になるにつれて、リソース管理がより重要になります。例えば、ファイルのハンドルやネットワーク接続、データベース接続などは、中断時に適切に閉じないと、メモリリークやデータの破損を引き起こす可能性があります。KeyboardInterrupt例外をキャッチしてこれらのリソースを適切に解放することが重要です。
import sqlite3
try:
conn = sqlite3.connect('example.db')
c = conn.cursor()
c.execute('CREATE TABLE IF NOT EXISTS data (id INTEGER, value TEXT)')
for i in range(1000):
c.execute('INSERT INTO data (id, value) VALUES (?, ?)', (i, f'value_{i}'))
conn.commit()
if i % 100 == 0:
print(f"{i}件のデータを挿入しました。")
except KeyboardInterrupt:
print("データベースへの挿入が中断されました。トランザクションをロールバックしています...")
conn.rollback()
finally:
conn.close()
print("データベース接続を閉じました。")この例では、SQLiteデータベースにデータを挿入していますが、KeyboardInterrupt例外が発生した場合、トランザクションをロールバックし、データベース接続を安全に閉じています。これにより、データの整合性が保たれ、プログラムは適切に終了します。
まとめ
Pythonでの「Ctrl + C」の使用と、それに関連するKeyboardInterrupt例外の処理は、特に長時間実行されるスクリプトや重要なリソースを扱うプログラムにおいて、非常に重要な技術です。この機能を適切に理解し活用することで、プログラムの信頼性を高め、予期せぬ中断によるデータの損失やリソースのリークを防ぐことができます。
振り返り
- 「Ctrl + C」とSIGINTシグナル
ユーザーが「Ctrl + C」を押すと、プログラムにSIGINTシグナルが送信され、PythonではこれがKeyboardInterrupt例外を引き起こします。これにより、プログラムの実行を安全に中断することができます。 KeyboardInterrupt例外の理解KeyboardInterrupt例外は、プログラムがユーザーからの中断シグナルを受け取ったことを意味し、この例外を適切にキャッチして処理することで、中断時に必要なクリーンアップやデータ保存が可能になります。try-except構文の使用try-except構文を利用して、KeyboardInterrupt例外をキャッチし、プログラムが中断された際に特定の処理を実行することができます。また、finallyブロックを使用することで、例外の発生にかかわらず必ず実行されるクリーンアップ処理を追加することもできます。- 実践的な応用例
長時間実行されるスクリプトや、デーモン、サーバープログラムでの中断処理の例を通じて、KeyboardInterrupt例外の重要性とその応用方法について学びました。特に、リソースの安全な解放やデータの保存は、信頼性の高いプログラムを作る上で欠かせない要素です。
最後に
Pythonにおける「Ctrl + C」とKeyboardInterrupt例外の処理は、プログラムの中断を適切に扱うための基本ですが、その応用範囲は広く、あらゆる種類のプログラムで役立ちます。今回紹介した内容をもとに、実際のプログラムでこれらの技術を活用し、安全で効率的なコードを書いてください。

ここまで読んでいただきありがとうございます!
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